1. 小児科医師不足が深刻化している原因とは

小児科医師不足が深刻化している原因とは

厳しい労働環境が小児科医を圧迫


人は誰しも生活のために仕事をしなければなりません。
だからといって、誰も好き好んで厳しい労働環境に身を置きたいなどとは考えるはずもありません。

しかしながら医者を目指す人は、医療を通じて社会貢献がしたいという高い志を持っていることが多く、患者や社会のためにはプライベートを削ってでも仕事をこなす傾向にあります。

とはいえ、その環境が厳しさを増し耐え難いものになると、徐々にそこから離れる人が出てきます
そしてそれが現在の小児科医の不足状態を加速させたと言ってもいいでしょう。

人口の少ない地方から病院や診療所が減り、日本国内で小児科を標榜する医療施設が減少していることも、結局は小児科医の働く環境に主となる原因があるのです。

多々ある診療科目の中でも、特に長時間労働が問題になっている小児科
子供は、いつ状態が急変するかわかりません。
大人のように我慢できないことも多く、親御さんも早めに診察や治療をしてもらいたいと、時間構わず施設の門を叩きます。
これは24時間の受け入れ態勢を整えておく必要があるということであり、この点が特に若い医師の小児科離れを加速させていることは間違い無いでしょう

長時間労働をはじめとした過酷な環境を改善できなければ小児科医不足は解消できず、今後も反比例するように小児科の医師募集案件は増える一方である事が予想されます。

医療事故や開業医の存在も医師不足の原因に


小児科医不足が非常に深刻化している原因は他にもあります。

特に、“医療事故”というキーワードは無視できないでしょう。
子供の体はまだまだ未成熟な部分が多く、それだけに診療する側の医師は慎重に対応することが求められます。

しかしながら適切な医療を施したとしても、子供は体力的な問題もあり症状の悪化が避けられないことも珍しくはありません。
そしてもし子供に何かあれば、親御さんたちはすぐに医師のせいにしようとします

これも少子化がもたらす一つの弊害でしょう。
通称モンスターペアレントと呼ばれるような親をはじめ、子供への診療の結果にシビアな親が非常に多くなり、少しでも悪化すれば医療事故と捉えられることがしばしば出てくるのです

もちろん、中には医師の不手際や技量不足などによって症状を悪化させてしまうこともあるでしょう。
しかし、避けられない悪化もあるはず。
それでも大人の患者のように受け入れたり受け止めたりできる親御さんは相対的に少ないのが現状です

医療事故のリスクが高いこととともに、謂れのない批判や糾弾を受けたくないと考えれば、その可能性がどうしても高くなってしまう小児科医を避ける若者が多くなることも必然なのかもしれません。

また、診療報酬などの面を見ても、勤務医より開業医の優遇がまだまだ目立ち、これも医師不足の原因と指摘されることが多々あります。
こうしたあらゆることが要因となり、現在日本では小児科医の医師不足が解消できずにいるのです。